ニューヨークで孤独に生きるイタリア系移民のレオンは、プロの殺し屋として、表の顔はイタリアレストランの経営者で、イタリア系マフィアのボスであるトニーを介した依頼を完璧に遂行する日々を送っていた。 ある日、「仕事」帰りのレオンはアパートの隣室に住む少女マチルダと、彼女の顔に父親からの暴力の痕があることをきっかけに知り合う。
マチルダは実の父親であるジョセフだけではなく、義姉のジョアンからも虐待を受けており、義母のマージからはまるで関心を向けられず、幼い弟マイケルにしか心を開けない、閉塞感に満ちたまま日常を送っていた。
その翌日、ジョセフが麻薬密売組織の「商品」を横領したことを見抜いたスタンスフィールドとその一味がアパートに乱入し、スタンスフィールドはマージやジョアンを容赦なく射殺。4歳のマイケルは流れ弾を浴びて死亡していた。レオンのためにいつもの2パックの牛乳を買いにでかけ、運良く難を逃れていたマチルダは、帰ってきた頃には家族全員を皆殺しにされていた事を知る。マチルダはとっさに隣室のレオンに助けを求め、レオンはしばし逡巡した後に彼女を保護する。
巧みな駆け引きを駆使し、弟の復讐のため殺しの技術を学ぼうとするマチルダは「ボニーとクライドや、テルマとルイーズのみたいにコンビを組もう」というが、レオンは殺しの腕は一流ながら学がない。「根が地面についてないということが自分と同じだ」という理由で、鉢植えの観葉植物だけが友達のレオン。奇妙な同居生活を始めた二人は、やがて互いに心の安らぎを見出すようになり、複雑な感情と信頼を抱いていく。
(Wikipedia)
『LEON』はよく名前を聞く、いわゆる名作映画で1994年に公開された映画です。自分が3歳のときの映画ですから、私からすると結構古い映画です。
自分と同年代の、さらに映画ファンでもない人が楽しめて、「LEONはすごくいい映画だ!」って言っているのにはきっとわけがあると思うんです。TVで『ターミネーター2』は観た、『ターミネーター』は観ていない、そんな人が”好きな映画: LEON”ってプロフィールに書いていたりして。すごく不思議だったんですよね。
というわけで感想を。
『LEON』を観て最初に感じたのは、キャラクターが個性的でわかりやすいということ。キャラがたっています。
主人公のレオンは”仕事”をする際には必ず「帽子」、「丸縁メガネ」、「コート」を身に着けます。普段の生活は、決まった時間に観葉植物を日の射す窓の縁に置いて、好物の牛乳をコップ1杯飲んで、マットレスにベルトを縛って腹筋運動をして、寝るときは片目だけを閉じて椅子で眠る。決められたことを完璧に遂行する、ロボットのような人です。
ヒロインのマチルダは弟を殺され、復讐に燃える12歳。感情の起伏も激しい時期ですから、レオンとはまるで正反対です。
ただ、レオンとマチルダに共通している点は”愛に飢えている”こと。マチルダは両親から虐待を受けているので言わずもがな。レオンには、実は悲しい過去があります(詳しくはLEONの完全版を観てください)。この共通点がふたりのつながりを生み、つなぎとめています。
『LEON』はアクションシーンも素晴らしいんですけど、なんといってもこのふたりが時間を共有することで愛を育んでいく様が微笑ましい。ロリコン、素晴らしい(そういう映画じゃありませんけど)。
それと、ストーリーがわかりやすくて観やすい。でも、読み解こうとすれば奥深い。レオンに仕事を依頼しているトニーの心境とか、想像すると面白いです。
人には好みがあるので、誰にでも進められる映画ってあまりないと思っているのですが、『LEON』は万人受けする映画ではないかと。古臭くないし、わかりやすいし、アクションもあれば恋愛ものとしても観られるし。
オススメ。