2015年12月24日木曜日

PERFECT BLUE 感想

PERFECT BLUE



アイドルグループの「チャム」に所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。
未麻は事務所の方針に流されつつも、かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させる。初出演のドラマはセリフが一言だけの端役から始まり、続いてレイプシーンを演じることとなる。さらにはヘアヌード写真集のオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。「チャム」以来のファンたちは未麻の厳しい現状を嘆くが、彼女の女優生活は次第に軌道に乗り始める。
しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。レイプシーンやヘアヌードは本当の自分の姿なのか。自分が望んだことなのか。そんな疑問を抱く中、インターネット上に未麻になりすました何者かがウェブサイトを開設。しかしその内容は虚実を織り交ぜつつも、まるで未麻本人が書いたかのように詳細を極めていた。未麻はストーカーに監視されていたのだった。「アイドルとしての未麻」が更新を続けるウェブサイトを見て、精神的に追い詰められる未麻。また、未麻の事務所に手紙爆弾が送りつけられたり、関係者が次々と殺される事件が発生する。
(ウィキペディア)

パプリカ』 を手がけた今敏監督の作品。
『PERFECT BLUE』を鑑賞しているときの既視感はこれだったのかと、あとで納得しました。

主人公とともに、視聴している側も現実と非現実(ドラマ)の区別がつかなくなり、物語の中盤は混乱しますが、それも終盤には理解が追いつく演出が素晴らしく芸術的です。

PERFECT BLUEは1997年のアニメ映画で、当時のインターネット等の新しい文化や生活の変化をいち早く取り入れています。
映像表現も20年近く前のものとは思えないほどで、それゆえに今見ても色あせない名作として、お勧めできます。

国内でのレーティングはR15指定。
その他ほとんどの国ではR18指定ということで、人は選ぶかもしれません。
特に主人公のレイプシーンや、関係者が次々に殺されていく残虐描写は、ショッキングなので、苦手な方は要注意です。

ただ、パプリカを視聴済みで、かつ面白いと思えた方には間違いなくお勧め。
PERFECT BLUEもパプリカも、現実と非現実の境界があやふやになる不思議なアニメ映画です。
内容を理解しようと頭をフル回転させてしまいますが、1回目は適当にポケーっと見るようにしましょう。
1回目で常に理解が追いつくことはないので、2回目に「なるほど」と納得しながら見ると一粒で二度おいしいです。

2015年12月18日金曜日

Red Bull 5G 2015 FINALS

Red Bull 5G 2015 FINALSが12月20日(日)に開催されます。
Red Bull 5Gは5ジャンル5ゲームの東西代表選手がチームとして戦うゲーミングイベントです。



詳しくはこちら
URL: http://www.redbull.com/jp/ja/games/events/1331740860095/red-bull-5g-2015

昨年度、Red Bull 5Gではじめて西が勝利を掴んだため、今年は大阪がFINALSの開催地となっています。

西に渡った優勝旗を東が取り戻せるのか、西は優勝旗を守れるのか。
Red Bull 5Gとして例年以上のストーリーがあるのもポイントのひとつ。

また、各選手のゲームにかける想いも毎年のことながら魅力的です(紹介動画は公式サイトから視聴可能)。

日本トップクラスのゲームプレイと、Red Bull 5G、選手のストーリーが合わさって、他に類を見ないゲーミングイベントとなっています。

チケットは明日いっぱい購入が可能なので、ぜひ現地でその熱気を感じてください。

URL: https://tixee.tv/event/detail/eventId/9805

余談ですが、私自身、Red Bull 5G 2013 FINALSに出場した選手のひとりです。
2014年は観客として、2015年はスタッフとしてRedBull 5Gに関わっています。

Red Bull 5Gが掲げている「日本のゲーミングシーンに翼を授ける」の意味を、当時の私は正直なところ、よくわかっていなかったと思います。
今、過去から現在までを振り返ってみて、私はRed Bull 5Gから確かに翼を貰っていたのだと、強く感じています。

というわけで、個人的にも思い入れのあるRed Bull 5Gをぜひ見に来てください。

2015年12月14日月曜日

プロゲーマーごっこ


私のゲームを遊ぶことに対するモチベーションは以前、「プロゲーマーになること」でした。
確かな憧れを持っていたのは確かですが、諸々の要因でその夢が叶うことはありませんでした。

全盛期に渡米していれば、可能性としてゼロではなかった、のかもしれません(言葉通りのプロゲーマーになる、という意味では)。

ただ、人生を全額投資できなかったのです。

普通の人はそうです。
私もまたその点においては普通の人でした。

私はプロゲーマーになれない、なれたとしてもならない方が得策だ、という現実をはっきりと理解した瞬間、その夢を諦めました。

そして、いまはゲームに関連する仕事をしています。
ゲームのイベント運営・企画、コンサルティング、ライティング、昔に憧れていたものとは異なりますが、仕事としてゲームに関わるという意味では、夢は叶っているのかもしれません。
実際、この業界に骨を埋めたいとも思っています。

あとに残った遊びとしてのゲーム、つまり私のコンペティティブな部分。
仕事としての要素を取っ払ったゲームにどう向き合っていくのか。

考えた末に、私は「プロゲーマーごっこ」をする、という答えに至りました。
プロゲーマーになったつもりで、真剣にゲームをしたりして。

正直、そこに意味はありません。

今まで、ゲームを遊ぶことに意味(金銭を稼ぐ等、もっともらしい理由)がなければいけないと思っていた自分は、どこか普通の感覚の人とズレていたのだと思います。

ゲームは遊びである、遊び方の違いがあるだけ。

この年齢になって、ゲームの遊び方を見つけるという不思議な体験をした、というだけのお話でした。

秒速5センチメートル、東のエデン(アニメ) 2

秒速5センチメートル、東のエデン(アニメ) 1

東のエデン

一言で感想を述べると、もの凄く何かが「足りない」、そんな作品。
説明がない、または不十分な箇所が多分に存在しているので、最低でも2度は見ないと理解できそうにありません。
ぼーっと見ているとまず間違いなく置いていかれます。

そして、アニメ全11話を見終わっても頭に疑問が残る。
黒幕は? 結局そのあとどうなるの?
これはよくあることと言えばそうなのですが、残りすぎるというのが正直な感想です。

ただ、それが魅力のひとつとも言えるのかもしれません。
視聴する人にバックグラウンドや細部を想像させるという意味ではいい手法です。
先述の秒速5センチメートルと違って、アニメをアニメとして見るならアリな表現もあります(全裸の主人公が、見ず知らずの人にお願いして服を借りる。それもずいぶんあっさりと貸してくれます。現実ではありえないやりとり)。
後日談となる映画までをワンセットとするなら、これらもスッキリするのかもしれません。
実はあの違和感のあったシーンには意味があったんだ、みたいな感じで。

主人公が日本を変えるために選ばれた12人のひとりで、過去の記憶をなくしていながらも、己の中に確かに存在する正義とともに歩んでいくその様は見ていて気持ちがよく、細かい説明がないからこそテンポもいい。

ただ、アニメを全て見終わった現時点では評価ができない。
説明がないがゆえに、そこをどうやって補完していくのかが気になります。
やはりひとつの作品として評価するには映画を見る必要があるのでしょう。

映画を見なければいけないと思わせることに成功しているので、マーケティングとしては成功しているのではないでしょうか。
あとは映画を見て、「結局、何もわからなかった」という結果にならないことを祈ります。

(完)

秒速5センチメートル、東のエデン(アニメ) 1

今週末、『秒速5センチメートル』と『東のエデン(アニメ)』を鑑賞しました。

秒速5センチメートルは恋愛物のアニメで、普段好んで見るジャンルではないのですが、最近、ゲーミングチームのメンバーに「『AKIRA』を見ていないなんてありえない」と自分が言ったのもあって、名作とうわさの本作を鑑賞することにしました。
別のアニメ好きの知人に言われた「秒速を見ていないなんてありえない」の言葉にぐっさりきたのもあるんですけどね。

ついでに、その知人に『東のエデン』もお勧めされましたので、アニメ版はすべて鑑賞しました。映画版の感想はまた時間のあるときにでも。

秒速5センチメートル

新海誠の作品で唯一、私が鑑賞済みの『言の葉の庭』(これまた名作なのお勧めです)のときもそうだったのですが、絵がとにかく綺麗で写実的なのが印象に残りました。
ひとことで表すと、力強くて繊細、そして色鮮やか。
もうひとつ印象に残ったのは、実際に「ありそうな」ほろ苦い恋愛ストーリー。

本作で舞台となる新宿の駅や東京の町並み、つまり東京在住の私が見たことのある場所と、実際にありそうな男女の葛藤が感情移入を誘う、かと最初(1話。主人公がまだ幼い頃の話)は思っていたのですが、話が進み、互いに想いを寄せるふたりが大人へと成長すると同時に、その感情はなくなっていきました。

それは、私と主人公の男性が完全に異なる考え方を持っていたからでしょう。
あくまでアニメをアニメ(非現実)として見る癖のついた私が、こういったストーリーや世界観、映像表現それらすべてが現実的なアニメでは主人公と自分をへたに重ねようとしてとしてしまう、というのは発見でした。

アニメとしてのクオリティ(特に映像表現)は、新海誠の作品ということでいわずもがなですが、主人公の好き嫌いは結構わかれそうです。
特に、行動派の人からすると、主人公の男性のあと一歩踏み込まない感じが見ていてもどかしいかもしれません。

とはいえ、新海誠の作品は、見ておいて損はないので、一度は鑑賞してみてることをお勧めします。
失恋しているときには、さすがにお勧めできませんがね。

(続)

2015年12月7日月曜日

ゲーマーズラウンジ#66

12月5日(土)に今年最後のゲーマーズラウンジが開催されました。

https://atnd.org/events/72411

基本的な仕切り、準備は同僚のモチキさんが進めてくれたので、僕は設営と撤収以外、だいたい酒飲みながらゲームをしていました(ごめんなさい)。

今回はいつもと違う場所で開催されたので、雰囲気もガラっと変わりました。
Red Bull Japanオフィスの高級感+ゲーム+お酒+DJのマッチ具合がやばい。
気持ちよくゲームをしながら酔っ払っていました(再度、ごめんなさい)。

ゲーマーズラウンジは自分が楽しむ気で来ないと楽しめない、日本では数少ない「お客様のいないゲームイベント」です。

だからこそ、人と人がいい感じに繋がれているのだと思います。

勇気を出して話しかけてみて、気が合えば次回からも一緒に遊べばいい。
そこでグループができたとしても、ほかのグループと一緒に遊べと強要されることもない。

僕の中では、結構不思議なゲームイベントです。

次回は年明けてから、1月か2月開催?
はじめは不安だと思いますが、知り合いと一緒でもいいのでぜひご参加ください。
最初はうちのボスか、スタッフが気を利かせてどっかのグループにぶちこみますので。

とりあえず、楽しく遊べればすぐ仲良くなるものです。

そんな感じで、次回のゲーマーズラウンジもよろしくお願いします。

声優魂

読んだ本の感想。

声優魂 大塚明夫(著)

大塚明夫はメタルギアソリッドシリーズのスネークに声を当てられている方、といえば大体の方は認識できるのではないかと思います。

ざっくりした内容は、「声優業界は大変なので、声優になるのはやめておきなさい」というものです。

この本を読んで、ゲーム業界の一部でも同じことが言えると思いました次第です。

内容をそっくりそのまま置き換えることはできませんが、基本的な言いたいことは同じような気がします。

本当にその理由で声優になりたいのか、そう本書では繰り返し述べられていますが、ゲーム業界風に言うと、本当にゲーム業界で働きたいのか、という感じです。

これは僕自身が通った道だからこそ言えることでもあるのですが、ゲーム業界になんとなく入るとロクなことがありません。

ゲームが好きなので、ゲームの仕事をしたい、そりゃそうでしょう。

だってゲームって楽しいもの。

ゲームは人を楽しませるために作ってありますから。

でも、それはゲームが好きなのであって、ゲーム開発が好きなわけでも、ゲームイベント運営が好きなわけでもないのです。

楽しむのが好き、では駄目で、人を楽しませるのが好き、でないといけないのです。

娯楽産業は、基本的にそういうものです(一部例外あり)。



本書のレビューに、「調べればわかることばかり」と書いてあるものをいくつか見かけました。

確かに、調べればわかること、聞けばわかることばかりです。

ただ、本書は「調べもしない大馬鹿者」に向けて書いてあると思います。

勘違いしている人は、事前に調べなくても、自分のやりたいことだから何があってもやっていける、と思っているものなのです。



もしかして、自分は勘違いしているのかもしれない。

そう思っている人は本書を一読することをお勧めします。

ゲーム業界でなんとなく働いてみたい。そう感じたらライターをやるべし

今回はゲーム業界で仕事がしたい人に向けた話。

僕は今年の5月に、ライターからイベンター(正確には違うけど)になりました。

ゲーム業界で本格的に働くにあたって、ライターをやっていてよかった、そう思った点が少なからずあります。
ライターは、ゲームの仕事を、なんとなくやってみたいと考えている人にぴったりだと思うのです。




  • その理由1 ゲームをたくさん触れる(触らなくてはいけない)

ゲームの仕事がしたいと言うからには、ゲームをたくさん触っても苦でないはず。
逆に、ここで無理ならゲームの仕事はあきらめた方がいいかもしれません。
ゲームの開発にしても、イベンターにしても、好きなゲームだけ触っておけばいいということはないのです。




  • その理由2 人脈が広がる。ゲーム業界の仕事を知れる。

ゲームイベントの取材、メディア向け体験会のレビューをやらせてもらえれば、ゲーム業界の人と知り合うことができます。
何回か会っていれば、仕事の話も聞けるようになるでしょう。
そのうち、ライター以外にやってみたい仕事に出会えるかもしれません。



ここからは、どうやってライターになるか、という話。

僕の場合は、XNEWS(http://www.xbox-news.com/)さんのTGSレポートのお手伝いをさせてもらって、そこからゲームメディアを紹介していただきました。

ちなみに、XNEWSさんは知り合いの方(ゲーム大会の主催者)に紹介してもらいました。



「なんだ。結局、コネじゃん」と思われた方、あなたは正しい。

そう、必要なのはゲームメディアへのコネなんです。

でも、このコネをどうやって作るのか、そこまでは考えたことがないと思います。

実はこれ簡単で、ライターと知り合えばいいのです。
この記事を読んでいる人は、少なくともひとりライターを知っていますよね。
ひとり知り合いを作れば、あとは繋がっていくだけですから簡単です。

ここのコメント欄でも、Twitterでも、「ちょっと興味がある」とアプローチしてみればいいのです。



とはいえ、僕も全員をゲームメディアに紹介できるかというと、そうではありません。

「紹介」というのは、その先の責任を持つ、ということだからです。
紹介された側(ゲームメディア)は「ベックスさんの紹介だから」と、ある程度の信頼を持って接してくれます。
そこで、適当な仕事をされると、僕の信頼が落ちてしまいます。
ゆえに、僕は紹介する人を選びます。

これは僕に限らず、普通の感覚の人なら誰しも同じです。

むしろ、あなたのことを何も知らないのに、紹介してくれる人は危険だと思った方がいいでしょう。
紹介してくれる人がそもそもゲームメディアに信頼されていない可能性が高いです。

そのあと苦労するのはあなたなので、そこは慎重に判断しましょう。



僕以外のライターと知り合うには、ライター向けの勉強会に参加したり、イベントでPRESSパスをつけた人に話しかけたり(ステージの最中とかはどうかやめてあげてください。仕事中なので空気を読んだ対応を)するといいでしょう。

そこでライターになりたい、やってみたい、と気持ちを伝えれば、対応してくれる人もいるかもしれません。



誤解しないでほしいのが、ライターをゲーム業界への通り道にしろと言っているのではなく、ライターを含め、ゲーム関係の仕事に触れる機会としてやってみるといいのではないか、という話です。



最後に、今回の記事を読んで「めんどくさい」と思ったあなた。

ゲーム業界は本当に「めんどくさい」ので、やめておいた方がいいと思います。